とある町の名物の一つが焼き鳥だ。そんなものが名物か?と思う人もいるだろうが、町には老舗の焼き鳥屋が何軒もあり、毎日多くの客で賑わっているし、スーパーにもパック詰めの焼き鳥が売っているほどで、住人にも大変馴染みがある物だからやはり名物と言えるのだ。
種類はモツと精肉の2つある。モツの方は一般の焼き鳥のように、それぞれの部位に分けているのではなく、キモも皮もキンカン(卵黄)も一本の串に刺さっている。だから、いちいち食べたい部位を注文しなくても「モツ何本!」と注文すればそれでいいのだ。

- 店の店主は黙々と焼き鳥を焼き続けていた
まだ湯気の立っている焼き鳥を口に運び、歯で串から引き抜く。それだけで、もう口の中に肉の香りが広がる。肉自体は多少固いが、噛んでいるうちに次第に肉の旨みが舌にジュッと染み渡る。「旨い!」思わず口について言葉が出る。
精肉の方は味はモツに比べ、味は淡白だが柔らかく食べやすい。私は両方共食べるが町の人達にはどちらかというとジューシーな味のするモツの方が人気がある。

- これがその焼き鳥だ。手前の2本がモツ、奥が精肉だ
働いている時はよく仲間と連れ立って焼き鳥屋に行った。私は酒を飲まないが、焼き鳥を食べるのと、雰囲気が好きで行くのだ。行き付けの店はいつもたくさんのお客で一杯だ。
仲間で仕事の愚痴やら昔は良かったとか、俺の血糖値がどうだとか、どうでもいい話を延々として、時には大声でゲラゲラと笑い合い、合間に焼き鳥を頬張る・・・楽しい。
そんな仲間達も退職してからは付き合いは無くなってしまった。その代わり今は友人達と店に行っている。
今はスーパーからパック入りものを買って自宅で食べる事が多くなった。焼き立てではないが、それでもレンジで暖めるとそれなりに美味しく食べられる。家での食べ方だが、実はご飯のおかずとして食べているのだ。おかしいだろうか?白米にもよく合うと思うのだが、どうだろう・・・
まあ、私も基本的には焼き鳥は酒の肴だと思う。焼き鳥を食べ、お酒を美味しそうに飲む人を見ていると、お酒の味が解らない私は、そういう快感を知らないのは少し不幸なのかな?とも思ってしまう。
今からでもいいから焼き鳥をより美味しく食べるために、お酒を好きになるようにちょっと練習してみようかなと思わなくもないが、血糖値が気になるなあ・・・

- お酒を美味しそうに飲む人は幸せに見える

























