皆さんは一つや二つ、夢中になった物があるだろう。野球、サッカー、アウトドアに音楽。だが私には読書以外には夢中になれると言えるほどの物が無かった。昔、家庭用ゲーム機が出始めた頃、多少のゲームはプレイしていたが、やはり夢中になるという程の物ではなかった。当時のゲームはアクションやシューティング等、似通ったゲームばかりで、どれをプレイしてもあまり変わらないなあと考えていたが、そんな時ある雑誌でロールプレイングゲーム(以下RPG)形式のゲームが発売されるのを知った。
ボードゲームのRPGという物の存在は知っていたが、自分にはそういう事が出来る環境も知識も無く、遠い世界の羨ましい物だとしか思っていなかった。それがゲーム機でプレイ出来るようになると分かり、必ず買おうと思った。

- ボードゲームには憧れもあった
発売日になり、仕事が終わってすぐに隣町のホームセンターでそのゲームを購入した。家に帰り、早速ゲーム機に買ってきたソフトを差し込んだ。電源を入れタイトル画面が終わり、自分の名前を入力すると画面が切り替わり、そこに出てきた王様が喋り初めた。何と今、入力した私の名前を呼び、語りかけてきたのだ。驚きだった。それまでのゲームはキャラクターから話し掛けられるという事は一切無かった。それがこのゲームでは私に対して今はどういう状況で、これからどうすれば良いか?と明確な指示があり、プレイヤーはその通りに行動すればいいのだ。途中出会う人々からは適切はアドバイスやヒントもあり、プレイヤーはそれらを元に冒険を進める訳だ。

- 自分が異世界を探検出来るなんて・・・
あまりの新鮮さに私は時間を忘れてプレイしてしまい、気がつけば午前3時を回っていた。さすがにまずいと思い、その日は寝たが、次の日は食事とトイレ以外はずっとテレビの前に座りっぱなしでプレイした。その姿を見た家族からたしなめられ、自分でもこれでは良くないと考え、それからは1日に1~2時間に制限してプレイするようにした。そのゲームは次々と新しいシリーズが発売され、そのうちに3D画面の表示方法になった。私は3D酔いをしやすいタイプなので、そのうちプレイしなくはなってしまったが、それまでの間ずいぶん楽しませてもらった。

- ゲーム中毒にはなってはいけない
この文を読んだ若い人は、なんだRPGなんて普通そんな物だよと言うかも知れないが、当時そういうゲームをプレイした事がなかった人間にとっては、全く新しい世界に足を踏み入れた感覚だったのだ。あの王様に話し掛けられた時の衝撃を今でも忘れない。